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素隠居
1965〜1969 生
北海道 在

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最北の島へ

山名礼文岳(490m)  
山行日2017/09/08
山行時間3時間20分(うち、休憩30分)
山行ルート内路〜礼文岳(往復)




4日間も与えられると何でもできるもので、利尻山の予備日として設定した日を礼文岳登山に充てました。利尻山だけでも十分満足できたのですが、せっかくここまで来たのなら・・・と、欲張りました。
利尻登山の翌日、鴛泊港から香深港に向かうフェリーも団体客を含むハイカーで大盛況。殆どの人たちが岬めぐりなどのハイキングコースに向かうのを尻目に、前日に予約しておいたタクシーに腰を下ろし、一路、登山口のある内路へ。できればバスで済ませたかったのですが、帰りのフェリーに合う時刻がなく、生涯初となるタクシーによるアプローチを敢行。
運転手さんと礼文島談義を交わしていると、15分ほどで内路に到着。海沿いにあるので当然と言えば当然ですが、登山口の目の前が港というロケーションはとても新鮮で、この瞬間、礼文島にいることを噛みしめます。
もちろん帰りもタクシーなので、14時30分という、コミット付きの登山も初体験。
礼文島の地形はそのまま登山道にもよく表れており、登山口から100m弱、つづら折りの急登を登った後は頂上付近までほぼ緩斜面が続きます。さっきまで立っていた港を眼下に収め、登山道は島の中央へと続きますが、予想に反して一向に展望は開けず、ここが北の果て、礼文島であることを感じることのないまま、何の変哲もない登山道がダラダラと続いていきます。好天は有り難いのですが、低山故の熱気に時折包まれながら、やっと展望が開けたのは頂上のわずか手前のピークでのこと。幾分ガスがかかっているものの、北方に広がるスコトン岬から金田ノ岬に至る海岸線、久種湖が、南方には、今や帰るべき家とも思える利尻島が洋上に浮かんでいます。
そこから山頂までは見た目ほどの距離はなく、あっという間に到着。ガスが時折流れて来る中、パンを口に放り込んで下山開始。
登山口が近づき、目の前にパッと紺碧の海と港の風景が広がる様は感動もので、恐らく礼文島で一番、印象深い光景になるんだと思いました。
約束の時間の30分前、14時には登山口に戻り、港を前にしたベンチに座りタクシーを待つのでした。


comment:0 件 17/09/18 00:49



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別天地発見

山名利尻山(1721m)   長官山(1218m)  
山行日2017/09/07
山行時間8時間30分(うち、休憩1時間30分)
山行ルート鴛泊コース(往復)




突然、訪れた4日間のフリー休暇。「老後の楽しみに・・・」と半ば諦めていた利尻登山のビッグチャンスが転がり込んできました。
マイカーは稚内に預け、徒歩でフェリーに乗船。特大スーツケースにザック姿ってどうなんだろう?と心配しましたが、そこはさすが利尻島。同じ身なりの人たちが何人もいて一安心。当初は飛行機での移動も考えましたが、やはり「利尻島には船で渡りたい!」という思いと、いつでもキャンセルできる気楽さでフェリーを選択。平日なので空いてるかと思いきや意外にもツアー客を含む大勢の乗船客で驚きました。
札幌から稚内に向かうオロロンラインからは、雲の上にわずかに頂上だけを覗かせていた利尻山、船が近づくころにはその全貌を現し始め、到着した港では眩いばかりの晴天の下、迫力ある姿で迎えてくれました。昼食後はペシ岬に登るなど軽く散策して今宵の宿へ。本来であれば野営場を拠点にしたいところですが、そんな準備も度胸もなく、今回は一泊二食付きのお気楽パックで臨みました。
当日の朝、宿の前の海岸線は好天を予感させる曙が広がっています。宿裏の湧水を水筒に詰め、いざ出発。登山口までのアプローチが送迎車というのもちょっと特別感ありです。先週の定山渓天狗岳の筋肉痛もほぼなくなり、睡眠不足以外は気力、体力ともに万全の状態で登山開始。
天気はパッとしませんが、前日もそうであったように「昼までに晴れてくれれば」とさほど気になりません。5合目あたりでは眼下に晴れ渡った鴛泊の町と海原が広がりますが、山頂方向はなかなか雲が取れません。それどころか風も強まり、少し嫌なムードに。さらに歩を進めますが、山頂方向の視界は悪くなる一方で、見晴らしがいいはずの長官山はガスに包まれ、しまいにはポツリポツリと雨粒まで落ちてきます。しかも雨粒は次第に確かなものになり、9合目手前あたりからは背中を叩く大粒の雨に。まさか出番が来るとは思っていなかったレインウェア、ザックカバーを着用しますが、防水グローブはわざわざ装備から外して宿の畳の上に・・・。ゲーターなど持参しているわけもなく、ほどなく登山靴の中はびしょ濡れに。それでも頂上だけは踏みたいと一歩一歩、歩みを進めます。途中、片側が切れ落ちたルート上では「ガスがなかったら怖いだろうなー」と少し感謝しながら通過。最後は「あと〇〇メートルで祠があるはず」と高度計を励みに前進し、人声が聞こえたと思ったら目の前にその祠が。想像した風景はそこにはありませんでしたが、確かに何かで見た祠が目の前にあります。一瞬、雨が小降りになり、「せめておにぎり一つでも」とザックから取り出した瞬間、またしても大粒の雨が。食事までお預けになり、這う這うの体で下山開始。
酷い天気ではありましたが、行き交う人との間で変な仲間意識が生まれたり、今までに味わったことのない、何とも言えない心地よさをもって下山しました。
当然ながら、下山口は太陽の光に包まれ、迎えの宿の主人には「良かったでしょ?」と言われる始末で、その主人曰く、(この時期?)頂上で雨まで降るのは珍しいとのこと。
いろいろとありましたが、登山中以外、島に滞在している間、ほぼずっとその雄姿を見せてくれた利尻山。本当に惚れ惚れする姿で、虜になってしまいました。
また、ザックを担いで堂々とブラブラできる島の雰囲気も新鮮で、決して大げさでなく「こんな世界があったんだ」と人生の大発見をした気持ちです。
真っ白だった山頂は、利尻山が「また来なさい」と言ってくれたんだと、都合よく解釈したのでした。


comment:0 件 17/11/06 23:28



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ミッション完了

山名定山溪天狗岳(1145m)  
山行日2017/09/02
山行時間6時間(うち、休憩1時間20分)
山行ルート白井二股〜熊ノ沢登山口〜定山渓天狗岳(往復)




この山は、恐らく札幌近郊の夏山登山ルートの中では、最も難易度が高い山として取り上げられていることが多く、今年のテーマ「怖い山」を成就する上で避けて通れない山でした。ここ数年、意識することが増えたのですが、いろいろな理由を考えては恐怖心に逆らうことができず、ここまで放置してきた経緯があります。「いつかは」という思いで、今年、絶対外せない山にリストアップしていたのですが、いろいろな理由で先送りとなり、さらに6月24日に死亡事故もあったりと、足が遠のく一方という中での山行となりました。
以前は登山口間近まで車で入れたという林道は、今は30分の徒歩が必要となります。沢沿いの登山ルートは思いのほか美林が続き、「このまま山頂まで続いてくれればいいのに」と思うほどのさわやかなルートです。途中、何ヶ所が渡渉箇所がありますが、水量も少なく、多少、靴底を濡らす程度で済みます。渡渉から解放されたあたりから本格的な登りが始まり、何ヶ所かロープ場も現れます。事前の情報では最後のルンゼを筆頭にそこそこ危険な箇所が続くイメージでいましたが、序盤で現れる下りのロープ場1ヶ所を除き、それほど厳しさを感じることなくクリア。300メートルほど続く急登に喘ぎながら頂上の岩塔直下へ、休む間もなく最難関のルンゼの末端へと到着します。
ルンゼの手前に少し位、休憩スペースがあるかと思い歩を進めていたのですが、意外にもルンゼに渡るロープの末端は急登の途中で、仕方なく、大木を陰に急傾斜の途中で息を整えます。
これまでルンゼと言われる場所を通過したことがなかったので、どんな場所なのだろうかと思っていましたが、見上げる先に確かに岩の割れ目がありますが、意外と終点は近く感じ、また、斜度も思ったほど絶壁ではなく少し安心。先行者1名をやり過ごし、いよいよ斜面に取りつき岩溝に踏み込みますが、どこに足を置けばよいのかわからないまま進み、下半身がすっぽり岩溝の中に。結局、上半身、力ずくで岩溝を抜け、一心不乱にルンゼ起点に到着。ほっとしたのも束の間、到着した足場の数十センチ先は反対側の絶壁。恐る恐る進路を反転し、滑りやすい斜面を慎重に山頂に向かいます。山頂にはすでに何人かの先客がおり、しばらく談笑した後に下山開始。当然、下りも油断ならないルンゼですが、後は下りるだけ。不細工な恰好ながらなんとかクリア。「あと一つ」と心の中で数え、集中力を保ちながら全てのロープ場を終え、あとは熊対策に笛を吹きながら無事帰着。
コースの難易度はともかく、恐怖心に打ち克った充実感に浸った1日でした。


comment:0 件 17/09/17 00:56



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静かな「山の日」

山名暑寒別岳(1492m)  
山行日2017/08/11
山行時間7時間40分 (うち、休憩1時間)
山行ルート箸別コース




「山の日」だからどこかに、というわけではないのですが、今年はたまたま山に行くチャンスが巡ってきたため、体力と相談して暑寒別岳に決定。前回の天塩岳同様、どうも今年は天候に恵まれないようで、例年であれば雨マークが付いた時点で山行を見合わせるのが常なのですが、今年は天気を選んでいたら一度も行けなくなるのでは、という危機感から多少の雨天は覚悟で臨みました。
当日を迎えて天気はくもり。山頂からの展望は期待できそうにありませんが、雨の心配はなさそうです。「山の日」初登山でもあったため、そこそこの入山者を予想していたのですが、登山を開始した6時過ぎに先行していたのは1名のみ。最終的に7名の人とすれ違いましたが、同一ルートと思しき人は結局2名のみでした。
今回選んだ箸別コースは3つの登山ルートの中では最も平易なルートのようで、実際、7合目あたりまではこれといった急斜面もなく、斜度を感じないほどの緩やかな登りが延々続きます。したがって、歩行時間、標高の割に疲労感は少なく、かつ、コースコンディションもとても良好だったため、終始、快適な山行でした。ただし、7合目付近から風が強まり、8合目から山頂にかけての稜線では防寒ウェアが必要となりました。
また、事前情報で警戒していた「虫」も天気のせいか気になるレベルではなく、唯一、気になったのが8合目、9合目付近で存在感を示していた熊の糞くらいでした。
熊の糞は他のコースでも見られたようで、すれ違う人が口を揃えて熊の心配をしていました。(もちろん、私もその一人です)
景色がいい快晴の夏山登山もいいですが、見晴らしは悪くても涼しく快適な曇天時の登山もいいものだと自分に言い聞かせた登山でした。


comment:0 件 17/08/16 23:54



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波乱の天塩岳

山名天塩岳(1558m)  
山行日2017/07/23
山行時間7時間20分(うち、休憩1時間15分)
山行ルート天塩岳ヒュッテ→(前天塩コース)→前天塩岳→天塩岳→(新道コース)→(連絡道)→天塩岳ヒュッテ




6月7日の黄金山以来、1ヶ月半ぶりの山行。
体調、天候、家庭の事情全てが上手く行かず、やっと巡ってきたチャンスでしたが、直前まで天気予報とにらめっこ。行こうと決心したのは実に前日の夜という、いつものことですがバタバタと当日を迎えました。
2日間確保できたため、今回は生まれて初めてとなる小屋泊&自炊にチャレンジしました。念のためテントも用意したのですが、前夜までの雨のおかげか、訪れた天塩岳ヒュッテには最終的に私を含めて5名が宿泊。比較的、居心地の良い部屋だったのですが、隣人のいびきなどのおかげてなかなか寝付けず、ほぼ徹夜状態で起床。
2度目の食事を終えるころには、バーナーとクッカーを使っている自分が少し誇らしく思えてくるから不思議です。

5時半、先行者1名に続き、2番手として登山開始。しばらくは渓流沿いの美林の中、ほぼ平坦な道を進みます。何度か橋を渡る箇所がありますが、特に危険なところはなく順調に歩を進めます。
傾斜が徐々にきつくなってくるのは旧道との分岐から。決して急登というわけではないのですが、標高差600mほど、緩むことのない傾斜を延々と登っていくうちに体力がどんどん消耗していきます。先の行程を考え、最後は超スローペースでなんとか最初の頂となる前天塩岳山頂に到着。ここで後続者1名と合流します。
少し会話した後に、先行して出発。天塩岳への稜線を進み、コルを過ぎたあたりで振り返ると、先に合流した男性が少し慌てた様子でこちらに進んできます。「どうしました?」と声をかけると「そこの笹薮でクマに唸られました」とのこと。10m以上離れていたので、私には熊の声はおろか、男性がとっさに吹いたという笛の音すら聞こえませんでしたが、真相はともかく、熊に関してこれほど身に迫る距離感で情報を得たのは初めてなので、二人で意識的に会話しながら先に進みました。
男性は熊鈴2個に笛。私も最近、新調した単独行向けの鈴を身につけ、首には笛。さらに昔、購入してしばらく携帯していなかった熊スプレーまで持参するなど、熊対策としては万全に近い状態でしたが、やはり、いざとなれば心細いものです。「2人、合流して良かった」と男性が言った言葉に、そのときは私も全く同感でした。

しばらくして天塩岳山頂に到着。ここで、私よりペースの早い男性が先行し、それぞれ単独の歩を進めます。この先、西天塩岳、円山、その先の小ピークと、緩やかながらアップダウンがあり、意外とハードな行程が続きます。道中、ザックに付けていたはずの蚊取り線香が、続いて、ポールのキャップが両方なくなっているのに気づきますが、どこで落としたかもわからず後の祭り。特に蚊取り線香は今回用に購入したばかりだったので悔しかったですし、何より山にあんな目立つものを放置してしまう罪悪感にかられましたが、ここで引き返すと体力的にも危険、と、勝手に都合の良い理由をみつけて下山継続。誰かが回収してくれることをただ祈るだけです。

もう少し早く下山できると踏んでいたのですが、前回からのブランク、その他コンデションも今一つパッとしなかったこともあってか、やや遅めの下山。それでも汗は早く流したく、最寄の「協和温泉」に入湯。ここで、よもやのアクシデントが。
脱衣所で脱いだ服のチェックをしながらアンダーシャツを脱ぐと、胸のあたりに見覚えのない黒いホクロ状のものが・・・。恐る恐る指で動かしてみるプニュプニュとしたものがぶら下がっているではありませんか。最近、ニュースで良く見かける、まさにマダニが食い込んでいたのです。そう言えば、前天塩岳で休憩中に首から外したタオルを再度、身につけようとしたときにもマダニの一種と思しき虫がタオルに付着していました。休憩中なのか、笹で覆われた稜線歩きのときかわかりませんが、わずかな隙間をたどってタイトなアンダーシャツの内側までたどり着いたようです。
一瞬、動揺しましたが、とにかく「無理にとってはいけない」という情報はもっていたので、そのままお風呂だけは入ることにし、ダニをぶら下げたまま車へ。
その後、日曜日だったこともあり、旭川市内にある当番医でマダニは無事、摘出。
こういう時はスマホによる検索、カーナビ、保険証の所持が本当に役に立ちます。

以上、久しぶりの山行は波乱に満ちたものとなりましたが、反省点もありながらも、できるだけの備えをしていたことで大事に至らなかった点もあり、下山後にいろいろと考えさせられる経験でした。ちなみに、今回用意した飲料水(計2リットル)は下山後の一口でぴったり底をついてしまいました。(これも初めての経験でした)
ある意味、理想的とも言えますが、予想以上にバテていた結果でもあり、最低でもあと500mlは持っていなければと反省しました。


comment:0 件 17/07/26 01:23



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黄金山に軍配

山名黄金山(740m)  
山行日2017/06/08
山行時間2時間40分(うち、休憩20分)
山行ルート旧道〜頂上〜新道




今年のテーマ「怖い山」の第2弾に選んだのは黄金山。以前から気にはなっていたのですが、740メートルそこそこの低山でありながら自宅から2時間を要し、その上、怖い山となれば、わざわざ行く理由も見つからず、これまでお蔵入りとなっていました。
訪れたのは久しぶりの平日。怖い山なので少し賑やかな方が良かったのですが仕方ありません。到着した駐車場には車2台、という心細い気分の中、4人の中年男性グループが続いて到着。少しホッとしてグループの後を追うように登山口を出発。
黄金山はメインとなる新道の他に、再整備されたと言う旧道があり、事前の情報では圧倒的に旧道の方が恐怖度が高いとのこと。もともと旧道を登りに使う決心をしていたので、「お願いだから、誰か旧道に進んで」と祈りながら、その分岐点で先行グループと合流。願い空しく、グループのリーダーと思しき人から「旧道は危ないから、新道を行くよ」との声が。背後に3名の視線を感じながら、一人旧道へ向かったのでした。
旧道で怖いと思われるのは山頂直下の急崖トラバースなので、しばらくは体力を温存しながらのんびりと進みます。が、急登にさしかかったあたりで予期せぬ恐怖が訪れます。実はその直前から、何か獣の咆哮のようなものが数回、足元の遥か下の方から聞こえていたのです。北海道では最近のニュースで「熊」に関する注意喚起が頻繁に流れており、どうしても想像してしまうのです。そんなとき、足元のすぐ後方でゴロっという大きな音が。
人間は本当にびっくりすると声にならない声を出すようで、生まれて初めて「ひっ!」というマンガのような声を出してしまいました。振り返ると炊飯器大の岩が登山道を転がり落ちており、どうやら知らないうちに落石を起こしていたようです。ホッと脱力するやら自分のノミの心臓ぶりに情けなくなるやらで、本当に自分は山に登る資格があるのかと自信喪失気味に。
気を取り直して登山再開しますが、ここからのロープ場がなかなかのスリリングゾーンで、ロープ、木の幹・根、岩を掴みながら、感覚的にはほぼ垂直に、しかも連続して難所が現れます。当然、下は見ることができません。大した距離ではなかったのでしょうが、何十メートルも緊張感が続いたような気分です。やっとの思いで急登を乗り切ったところで現れたのが噂のトラバース道。しかし、ここは思いのほか楽勝で、あっという間に通過。最後に控えるのは頂上とその手前の岩塔を結ぶ両側が切れ落ちた尾根です。
そこで、もう一つの恐怖体験が。いよいよ手前の岩塔が姿を現し、恐怖に押しつぶされそうになりながら巨大な岩にしがみついていたその時、ジー!と大きな鳴き声を発しながら、一匹の死にかけたセミが突然、手の上に落ちてきたのです。さすがに二度目の「ひっ!」は出ませんでしたが、セミの鳴き声すら聞こえていなかったのに一体、どこから?しかも、手の上になぜ?という、恐怖の二重奏に全身を包まれます。
岩塔からはへっぴり腰でなんとか向かいの山頂へ。肌を刺す小さなブヨのような虫の集団にまとわりつかれ、クールダウンする間もなく、そそくさと恐怖の岩塔へ戻り、そこでやっと3人グループと再会。一言二言、声をかけ合い、「やっと帰れる」との思いで新道を下りました。
思えば、恐怖の原因は己の心の中にこそある、とどこかで聞いたことがあるような。
このまま「怖い山」を選び続けると、山登りが嫌いになってしまうのではないか、という不安を抱きつつ、でもすでに次のターゲットに狙いを定めている自分がいたりもします。
いろんな意味で「怖い山」ナンバー1が確定しました。


comment:0 件 17/06/09 00:51



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三度、恐怖の山へ・・・

山名八剣山(498m)  
山行日2017/04/23
山行時間約2時間
山行ルート西口コース〜八剣山〜中央口コース




北海道の夏山シーズンを間近に控えた4月下旬、「とにかく登れる山に!」の一心で選んだ山は、恐怖の八剣山。今年は『怖い山』をテーマに掲げており、最終目標は芦別岳(旧道〜新道コース)に設定。ということで、シーズン最初の山としてはもってこいの山であり、やや難度を上げるために通ったことのない西口から登り、中央口に下りるルートを選択。
4月中旬には一度、低山の雪もすっかり消えかけていましたが、その後、冬に逆戻り。直前まで雨・雪混じりの天気が続いたため心配していましたが、果たして心配は的中。山の北側を進路にとる西口コースは序盤から登山道は残雪に覆われ、途中から全くわからなくなってしまいました。標準タイムで登り40分程度、常に目指す頂を視界に捉えながらの歩行であったため、「無理なら引き返そう」というつもりで雪原の中を目指す方向に進みますが、ところどころ膝まで埋まる残雪に悪戦苦闘。少し罪悪感を感じながらもGPSで現在地を確認しながら進むと先行者(下山者)のトレースを発見。途中で生涯、初めて購入した軽アイゼンを装着したりして、冒険気分を味わいながら、やっとロープ場に到着。慌てていたつもりはなかったのですが、脱ぐときに左右逆に取り付けていることに気づき、「何のために昨日、試し履きをしたのか・・・」と我ながら情けなくなったり、残雪+泥で収納袋に入れる際に周囲も一緒に泥まみれになり、「ビニール袋も持ってくれば良かった」と反省したり、1時間ちょっとのプチ冬山登山でしたが、とても充実した気分で頂上へ。
ずいぶん久しぶりの山頂は自分の記憶をはるかに凌ぐ怖さで、「これまでの経験はなんだったのか・・・」と少し自信喪失気味に。それでも、はるか先の目標に向けた第一歩を踏み出した喜びを胸に帰路につきました。


comment:0 件 17/04/28 23:53



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歴史を紡ぐ函館山登山

山名函館山(334m)  
山行日2016/11/12
山行時間全行程 3時間20分(山頂まで1時間)
山行ルート旧登山道コース→〈函館山〉→千畳敷コース→地蔵山コース→七曲りコース→宮の森コース




今年は北海道の冬の訪れが早く、今シーズン最後の登山を諦めかけていた矢先に1泊2日の自由を手に入れ、行く先を函館山に決めました。
函館は今から25年ほど前に2〜3年間暮らしたことがあり、当時のアパートが函館山の麓にあったことから、とても思い入れがある山でもあるのですが、そのころ登山には全く興味がなく、函館山と言えばマイカーで登るだけ。一般の観光客と同じ函館山しか知らず、ここ最近までは登山の対象としても考えることはありませんでした。
少し気になったのは昨年の冬、雪が積もっても安全に登れそうな山を探していたときに思いつき、以来、「せっかくだから一度は自分の足で登ってみたい」と思うようになりました。その後、某人気TV番組で函館山山頂にある、かつての要塞跡が取り上げられたのを見て、その思いはますます強くなっていきました。実は函館山の麓に暮らしていながら、要塞跡の存在すら知らなかったのです。
そんなこんなで晩秋のとある週末、札幌から5時間、吹雪の峠を越えて一路、晴天の函館山へ。登山口にある駐車場は手狭で、わずかな空きスペースに車を滑らせ登山開始。かつて、毎日のようにその脇を車で通っていたことを思い出していると、連想ゲームのように20数年前の記憶が蘇ってきます。
さて、旧登山道はかつての馬車道ということで、しっかりとした幅広の道が設えられています。ところどころに遺構が残っていたり、鬱蒼とした杉林があったり、なかなか情緒深い登山道です。行き交う人も多く、山頂付近では中国語で会話をしながら向かってくる集団がいるかと思うと「おはようございまーす!」と誰よりも大きな声であいさつをされてびっくりする一幕も。さすが函館山です。
いわゆる山頂は御殿山と呼ばれ、展望台には絶景を前にいつもの賑やかな光景が。

そして、千畳敷コースへ。このコースに沿って、今回の目的の一つである要塞跡を辿ります。まず現れるのが「御殿山第二砲台跡」。全てに立ち入れるわけではありませんが、6門の砲台が次々に現れる様は現実とのギャップが大き過ぎ、ここに津軽海峡を睨む大砲があったことを容易には想像することができません。続いて入江山コースに寄り道して観測所の跡などを見学。
ここからは尾根に沿って千畳敷コースをひたすら進みます。右下方には函館山の裏側とも言える切り立った断崖が顔を現し、小さいながら函館山が次々と見せる様々な姿にただただ圧倒されます。
しばらく進むと「千畳敷砲台跡」「戦闘指令所跡」に。今回、最も記憶に刻まれたのがここ「戦闘指令所跡」の光景。海を臨むロケーションに忽然と現れる遺構はさながら映画のワンシーンのようで、こんなところが日本に、それも、これほどポピュラーな函館山にあったのかと、しばし立ち尽くしてしまうほどの衝撃を受けました。なかなかその場を離れることができず、行ったり来たりしながら、時にぼーっと佇んでみたり、最後は後ろ髪を引かれる思いで歩を進め、得も言われぬ充足感を胸に先のコースへ向かいました。
地蔵山コースから七曲りコースにかけては初めて本格的な登山道の様相を見せましたが、それも束の間。宮の森コースでは森の中に木道が続く個性的な道ありと、最後まで飽きさせない、充実の山行となりました。

今回の函館山登山では25年前見た景色、さらに要塞が築かれた100年以上前の風景に思いをはせながら、自分の足で歩いてみることの大切さをつくづく感じました。


comment:0 件 16/11/19 00:28



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ほぼ貸し切り登山

山名神威岳(983m)  
山行日2016/09/14
山行時間6時間(うち、休憩1時間)
山行ルート百松沢林道コース〜頂上(往復)




大雪山の紅葉目当てが、連日の台風襲来でダメージを受けた国道、林道の規制が続き、断念。平日ということもあり、近場で一度、行ってみたかった神威岳に登ってきました。
朝はゆっくり目の7時に駐車場到着。先客は1台のみ。最近、人気の山が続いていたので、少し心細くなります。事前の下調べでわかってはいましたが、片道1時間は林道中心のアプローチが続き、本格的な登山が始まるのは林道歩きにも疲れてきた頃、「登山口」の標識と共にスタートします。
息が切れるほどの長い急登こそありませんが、3箇所のロープ場プラス、同様の斜面が他にも1箇所あり、適度な緊張感を求められます。また、札幌でも強風が吹いた台風の影響か、倒木が至る所にあり、中には倒れた枝葉が行く手を大きく塞いだまま手つかずの場所も。
山頂が近づき、最後のロープ場をクリアした先で、やっと先客の声が。車1台でしたが3名連れで、頂上でバーベキュー?をしているところでした。
結局、この日、出会ったのはこの3名のみ。帰路も誰ともすれ違うことなく、静かで少し寂しい山行を終えました。



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感動のニペソツ山

山名ニペソツ山(2013m)  
山行日2016/08/07
山行時間10時間 (うち、休憩 1時間20分)
山行ルート十六の沢コース(往復)




ついに、憧れのニペソツ山に登りました!
5月の「有珠山」に始まり、6月は「恵庭岳」、7月に「夕張岳」を選び、体力を試す機会を伺ってきたのも、全てニペソツ山に登るためでした。

長時間にわたる山行時間と自宅のある札幌からの距離を考えると、贅沢を言えば3連休の中日あたりにチャレンジしたいところでしたが、そもそもそんな休みは取れるわけもなく、揚げ句の果てに土曜日の午前中にも仕事が入ったため、日曜日に決行。
昨年購入にてまだ一度しか使用していないテントを車に投げ込み、仕事帰りに一路「ぬかびら野営場」へ。翌朝4時登山開始から逆算して深夜2時30分起床決定。
昨年の騒音ほどではないものの、そもそも慣れない環境で熟睡できる器用さを持ち合わせていないため、結局、1、2時間(推定)の睡眠で起床。
テントの撤収やら、意外と時間がかかる林道やらで、結局、登山口に着いたのは午前4時20分頃。一番乗りを逆に心配していたにも関わらず、すでに10人ほどの先客が準備を終えようとしていました。

登山開始は4時40分。丸木橋を渡り、関西訛りの中年ご夫妻の尻尾にくっついたまま、スローペースで尾根沿いの急登を登っていきます。しばらくして先を譲っていただき、このコースで最大の難関?となるポイントに登山開始2時間ほどで到着。小天狗をトラバースする途上に立ちはだかる大岩。事前情報で上部と下部にルートがあるとのことでしたが、近づいて確認しても「どこをどうやって通過するの!?」と心で叫びたくなるような立ちはだかり様。岩の下は切れ落ちて先が見えない状態で、上でも下でも大した違いなし。「ちょっとでも高い方」という理由で上部のルートを選択。足の先半分ほどの足場と、ホールド感ゼロの岩肌を指先の摩擦だけを頼りにじりじりと進行。最後は指が滑らないことを祈って体を投げ出し、無事、通過。皆さん、大丈夫なのでしょうか?

その後、人気のなくなった前天狗岳をトラバースするあたりで風が強まり、ヒグマの恐怖と相まって、だんだん心細く…。前日、訪ねた「東大雪しぜん館」に掲示されていた「8月3日、山頂付近でヒグマ出没」の情報が頭をよぎります。唯一の慰めは、あちこちから聞こえてくるナキウサギの鳴き声くらい。
足元に注意を払いながら大きな岩礫が続く道を進んでいくと、やがて小さなテン場が現れ、一張のテントが。そして進行方向に目をやると…、見覚えのあるニペソツ山のてっぺんが視界に飛び込み、そして、進むにつれてその雄姿があらわに。
それまで何度も写真、画像で目にしていたので、十分、想像はできていたはずなのですが、快晴の青空の下のニペソツ山の緑が予想だにしない鮮やかさで、前方の天狗岳を間に挟んで、遥かかなたに聳える姿には神々しささえ感じました。しばし絶句、とはこのことで、ここまで来た喜び、これから登る喜びが湧き上がってきます。

小休憩の間に、先のご夫婦やら抜きつ抜かれつしていた別の登山者、さらに既に山頂を踏んだ登山者が合流して、天狗平は賑やかな広場に。ここで会話をさせていただいた皆さんに共通しているのは、とてもニペソツ山を愛していらっしゃること。そして、鍛え抜かれていること。自分のへなちょこさが恥ずかしくなりました。

しばらくの小休憩の後、山頂へ向けての下り開始。天狗岳へ登り返しニペソツ山への最後の登りへ。決して楽な行程ではありませんが、一歩一歩を噛みしめながら、ただひたすら頂上へ。あと数歩、ピークを目の前に見上げたとき、なぜだか、一瞬ぐっとこみ上げるものがありました。大した苦労をしてきたわけではないけど、「ニペソツ山」という目標をもって、萎えそうな気持ちを鼓舞しながらも計画を貫徹し、ここにたどり着いたことによる満足感なのでしょうか。

断崖の縁に腰かけていることも忘れてしばし休憩。帰途につきます。
大きく2つのピークを登り返さなければならないことは百も承知だったのですが、むしろ気になるのは、小天狗の大岩。「また、あそこを通過しなければならない」と思うだけで気持ちが沈みます。
風の強かった岩礫帯も帰りは無風。今回は珍しく、行きも帰りも陽射しが後頭部を直撃する位置で、めったに使用しないタオルが大活躍でした。
そうこうしているうちに、小天狗への最後の登り返しを終えて、勝負の大岩に。日陰で休んでいると後続の青年が現れ、先に下部ルートを試してもらうことに。この方も往路は上部を選んだらしく、迷わずルートに取りつくと、「つかむところあります」とのことで、自分も下部ルートに決定。「ずるい大人だなぁ」と自己嫌悪になりながら歩を進めますが、上部以上に足場は狭く手でホールドできる岩も途中まで。後半は岩のくぼみを指先の摩擦を頼りに指圧で支えられる程度。後ろに体重がかかったら即、転落と思うと体が縮こまってますます動きがぎこちなくなります。なんとか通過しましたが、この恐怖感は勘弁してほしいところです。

後は下るだけ。帰りの時間が気になるところでしたが、ここまで来て怪我だけはしたくないので、安全最優先で下ります。登るときは全く気になりませんでしが、ここからの下りが意外に長く感じられ、下りても下りても沢の音が近づきません。先行者も後続者も気配を感じない中、やっと明瞭な沢の音が。急坂を下り切ったとこで、沢にかかる丸太橋を目にし、長い行程を終えました。

登った当日は考えられませんでしたが、翌日となった今、「またいつか登りたい」と思っています。今度は小天狗の大岩を難なくかわせるような技術、経験、度胸を携えて訪れたいです。


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